賢太郎

パターソンの賢太郎のレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.6
かなり前から気になっていた作品。特にやることも無い夕方の時間に鑑賞しましたが、時間帯的にもピッタリの1作でした。

『1日として同じ日は無い』

これ確かに当たり前なんですけど、日常生活がルーティン化しがちな現代社会では見逃されてしまっている真実だと思います。僕自身も「同じような生活つまらないなぁ」とボヤいたことがありますが、そもそもそういう時だって違う発見があったり、さり気無くお気に入りのアーティストの新曲が更新されていたり、"変化"が確かに起こっているんですよね。

この作品はそんな"当たり前の日常の中の1つの風景"を詩の文体と様々なキャラクターを背景に交えながら淡々と描いています。 目覚ましい変化はありません。ただそこにあるのはパターソンとローラとマーヴィン等の毎日。この作品を通じて当たり前の毎日を少しでも慈しむことが出来るようになった気がします。暖かい陽だまりの元に照らされたような気持ちになりますね。

※詩の世界観も素敵でした。あとアダム・ドライバーはめちゃくちゃ印象に残る俳優ですね。カッコいいだけじゃなくて、芯のある自然体の演技が魅力的。

あと唯一引っかかったのは奥さんちょっと不気味?← というか不思議ちゃんというか服装等の黒い色合いや、過剰な反応等がこの主人公と相対的にやや反り合わないんじゃないかなって思ったり、、、。でもそんな奥さんを優しく抱擁するかのように受け入れるパターソンがカッコいいんですけどね。
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