DSPEC

パターソンのDSPECのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.3
序盤から常にこの幸せそうなカップルに何か不幸が起こりそうな雰囲気を醸し出す。

既存の映画を観慣れたせいだろう。想像力を駆使して自分勝手なストーリーを組み立て、完全に身構えながらの鑑賞。

パターソンはこの単調な生活で徐々に壊れて行くじゃないか、奥さんは既に壊れているじゃないか、いつ何処でワンコが盗まれるのか、伏線っぽい描写が多々見受けられるが、終盤になってやっとこの映画の本質に気づく。

映画とは何か異変や混乱が起こるものと勝手に思い込み、予備知識無しで観た分ストーリーの展開が読めず、逆に極上のサスペンスを観せられた気分。

特に山場がある訳でもなく、何かを達成する訳でもないし、何かに勝利する訳でも無いのに、気がつけばこの映画に魅了されていた。何も起こらないが観客を退屈させる事なく幸せな気分にさせる。映画の持つ概念が覆された作品。


パターソンは今の満ち足りた生活に充分に満足していて決して変化を望まない。スマホは変化の象徴…
DSPEC

DSPEC