アルゼンチン・タンゴの伝説の踊り手マリア・ニエベスの人生を観るドキュメンタリー。
美しい!
この作品は主にインタビュー映像と再現映像で構成されています。ドキュメンタリーで再現映像というとテレビのチープなヤツを思い浮かべてしまうのですが、これが美しいんですよ。
この構成に面白さを感じたのですが、さらに再現映像のメイキング的な映像が挟み込まれます。そこには撮影風景を見るマリアが映されています。
自身の過去を見つめるマリアの表情の可愛らしいことと言ったら、この上ありません。80才が少女のようですよ。
タンゴへの情熱とペアの相手、フアン・カルロス・コペスへの愛憎。彼女は「生きている実感」の塊のような人だと感じました。
そんな彼女が、情熱だけで走り抜けてきた自身の人生を、初めて俯瞰したと思われる瞬間が映されています。その映像を見る本人が、ある確信を口にします。それが泣けるくらい美しかったです。いや、泣きました。
平日午後の劇場は年齢層が高く、おそらくタンゴ好きな方々で満席でした。タンゴ好きには堪らないんでしょうが、そうでない人も楽しめると思います。オススメします。