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ゴッホ~最期の手紙~のSouのレビュー・感想・評価

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)
4.8
最初は期待していなかったが、
すごくよかった。低く見積もっても4.5。
まずほんとにwell done!!!!!と称賛せざるを得ない作画。ほんとどれだけの手間がかかったんだろう。ゴッホへの並々ならぬ敬意がそれだけで窺い知れる。
そして、ゴッホという謎多き人物の輪郭が見えてくる。
僕はとりわけ人ごとには思えず、自分もこうなる可能性を優に占めている実情から。なんとも真剣に見入った。
とくにゴッホがガシェに行った
"君は偽芸術家だ。"と放った言葉。そしてガシェ自身も、医者という道に"逃げて"困窮してでも、全てを売り払ってでも芸術に人生を捧げられなかった、戦いきれなかったのが自覚しているため、図星だったからこそゴッホにその面で言い返すことはできなかった。"生活"を確保しながら芸術をクソ"嗜んでいる"自分など、偽芸術家だろう。ゴッホが生きていて、もし僕が会いに行ったら、僕もガシェと同じようにゴッホに叱咤されるだろう。僕がよく芸術を気分で行っている人たちに言ってしまっている"芸術をなめるな"という言葉は、きっと、僕がゴッホに言われてしまう言葉なのだろう。
生き様に、感嘆し、頭が下がったと同時に、ゴッホに何か誓いのようなものを立てることになった映画だった。

船乗りがゴッホをみて思った言葉が強烈に印象に残っている。
『カラスに慰められるなんて、この男の孤独はどれだけ深いんだ。』
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