ちろる

だれかの木琴のちろるのレビュー・感想・評価

だれかの木琴(2016年製作の映画)
3.3
始まりは美しい人妻と美容師の恋のはじまりみたいな感じだったのに、あれよあれよと言う間の常盤貴子演じる小夜子の海斗へのストーカー行為にゾワゾワして、誰かの木琴についての語りはなんだか本当のホラー感。
とにかく小夜子の何考えてるか分かんなくて血が通ってないように見えるし勝村政信演じる旦那、光太郎のなんとも言えない気持ち悪さも後を引く。
物語の面白味はとにかくこの小夜子のストーカー行為にあるのだが、彼女の想いには実態がなさそうで疼く体と気持ちを埋め合わせするような自慰的なものなのか。
家族全体がとてもよそよそしくて、特に夫婦がどこを見ているのか分からない。
でも、小夜子には「光太郎さんだけ」らしいのだ。

心にぽっかり空いた隙間を内面世界だけで妄想して完結するような小夜子の日常が、外側から見ると無機質で、幽霊のような印象を与えるからずっとずっと彼女が分からないままこの作品が終わってしまった。
常盤貴子さん綺麗だから余計に怖い。
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