矢吹健を称える会

叛乱の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

叛乱(1954年製作の映画)
3.5
 律儀な映画で、冒頭の判決を伝えるシーンで主要人物全員を順繰りにトラッキングで見せる。実は何も調べずに見たので、顔触れに驚いた。この映画、公開当時と今では印象が全く異なるのではないかしら。現代の観客としては、安倍徹や丹波哲郎、山形勲といった後の悪役スターたちが、純心な青年将校を演じているというのが面白くて仕方ない。沼田曜一も出てくる。
 律儀さは終盤で「全員の死刑執行を描く」という、なんならかなりしつこい描写にも顕わだが、映画として面白いのはクーデター実行前で、細川俊夫が複雑な思いを滲ませるのが良い。香川京子も最強に綺麗。