静かな反戦運動。
寡黙な重苦しい夫婦の時間が次第に軽やかになっていくのが良かった。
人間、やるべき事をやっていると自覚できているのが幸せなのかも。
何のために活動しているのか分からないままでは生きる意味が見出せない。
実話を元にした小説の映画化。日々の暮らしの中で、次第に息が詰まる感じが怖い。
夫婦を追い詰める警部をダニエル・ブリュールが演じる。カード(手紙)が増えていくごとに、追う者と追われる者の関係が微妙に変化していく。ダニエル・ブリュールが複雑な役を演じていてさすが。
ドイツの話なのに、英語なのは違和感があるが、ドイツ語にしなかった理由は、過去のドイツの話にしたくなかったからと監督がインタビューで話してました。原作が発表されたのは第二次世界大戦後すぐだったようだが、英訳の出版は2009年で割と新しい。
互いに監視して密告をする社会は地獄。正しい事をやってると思っているかからタチが悪い。近頃の日本も他人事では無いかも…