フランスのどこにでもありそうな錆びれて集合団地が舞台。変わった３組の男女が交わることで奇妙な化学反応を生み出していく。日常でありえそうで、そんなことないだろと思えるちょうどいいところのギリギリのユーモラスが味わえる。
「グランド・ホテル」、「有頂天ホテル」のように男女３組にそれぞれまったく違うストーリーが平行して進んでいく。ただ、他の群衆劇とは異なりどのストーリーも他のストーリーの邪魔はしない。場所と時間は同じ。しかし、ひとが違えば、ストーリーも違う。そんな様子を今作は描いている。私たちが隣人のことを知っているようでまるで知らないと同じように。
突如として現れた交流。交流をする前とした後では同じ人物でも全く別人のように見えた。人と人が交流することでひとは個性が生まれると感じてしまう。映画を見終わったあと、無性に新しい人との出会いが欲しくなってしまう一作です。
