hajime363

サイドウェイのhajime363のレビュー・感想・評価

サイドウェイ(2004年製作の映画)
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「SIDEWAYS」
“横向きの”、“遠回しな”という意味の単語。
キービジュアルにはワインボトルの中に入った二人の男性が描かれており、本作の内容を端的に表している。
モチーフであるワインにおいては横に寝かせることはボトルコンディショニング(熟成)を表している。
なので、要約すると「最も輝ける瞬間を待ち焦がれている(熟成している)何者でもないと感じている中途半端な(ともすると幼稚ですらある)大人の珍道中」

物語は大学からの腐れ縁である男二人がバチェラーパーティー的な旅行として、ワイナリーを巡る1週間の旅で起こる出来事が中心。
マイルスは趣味のワインをジャックにも味わってもらいたい、ジャックは結婚前にハメ外したいというように目的が異なっておりすれ違いが起きる。
(この辺はブドウの品種であるピノとシャルドネがメタファーになっていたりして面白いです。ピノは手間がかかるがワインの出来は振れ幅が大きく、シャルドネは育てやすく品質も安定)

感想をとりとめもなく、
構図からしてバディもの的な相互作用を期待したのですが、正直期待よりはやや下でした。欠点の無い人間など存在しませんが、本作の二人は幼稚過ぎる気がして…

ラストは「アバウトシュミット」と同じでしたね笑
多くの人に認められるより、認めてくれる人を大切にしたいところです。

ヴァージニア・マドセン演じるマヤの良い女たるや…私事ですが仕事も趣味もアルコール漬けなので、こんな人居たらすぐ好きになっちゃうね。

あと、音楽が良い!
60年代イタリアンジャズ“風”らしいです。格好いい~

蛇足
観てたらワインを飲みたくなったので家にあったワイン(メルロー)を空けたのですが、作中でマイルスが「メルローは死んでも飲まない」と言っていて少しショックでした笑
(そのあと、リースリングは好きって言ってて、白だったら話が合うなと思いました)
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