にく

リトル・マーメイドのにくのレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
2.3
R・マーシャル『リトル・マーメイド』(23)。「白人」の父(トリトン王)と「黒人」の娘(アリエル)。「黒人」の母(女王)と「白人」の養子(エリック)。2つの親子関係の人為的な交叉。なぜ「黒人」女王は「白人」宮廷文化を尊重するのか。アリエルの姉達が並ぶ様子は『シャザム』の兄弟と見分けが付かぬ。
 『エターナルズ』でも似たような横並び色違いのイメージを提示していた。ジェンダーと人種のバランスばかりに気を取られると、結局、見た目が同じになる。人種問題は肌や衣服の色使いに収斂するということなのか。いや、まさかね。日本の戦隊もの(とりわけ『バトルフィーバーJ』)じゃあ、あるまいし。
 『アクアマン』、『ブラック・パンサー ワカンダ・フォーエバー』も似たような話・絵だった。ま、『人魚姫』のが古典なんでしょうけれど。

 念の為に申し上げておきますが、私が文句を言っているのは想像力の凡庸についてです。ジェンダーや人種の多様性は想像力の多様性によって担保されなければならないということです。
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