アキラナウェイ

冷たい熱帯魚のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)
3.5
おいおい最近生温い映画ばっか観てんじゃねぇよ。
もっとパンチ効いてるやつ観ろよ。
バァカ、お前それでも映画が好きですって言えんのかよ。ほら、あれがあんだろう?Netflixのマイリストに入れたまんまで、いつまで経ってもてめえの根性が足りねぇから観れてねぇあれがよぉ!

と頭の中で誰かが僕に囁いたので、ようやく観ました。

冷たい熱帯魚。

ボデーを透明にする熱帯魚屋さんのお話。

あ、レビューに入る前に、THE BLUE HEARTS歌います。

気ぃーーーがーーー狂いそぉおーー!!!

ご静聴ありがとうございます。

小さな熱帯魚屋を営む社本(吹越満)は妻と3年前に死別しており、すぐに再婚した妙子(神楽坂恵)との夫婦仲は冷え切っていた。娘美津子と妙子との折り合いは悪く、閉塞的な家庭。美津子がスーパーで万引きしたと知らせを受け、店長に詰め寄られていた所を助けてくれたのは、同じく熱帯魚屋を営む村田(でんでん)だった。話術に長け、ユーモアのある村田の人柄に社本ら家族は惹かれ、やがて引き返せない道へと足を踏み入れていく。

もう、でんでんの怪演が凄まじい。
おまけに村田の妻愛子を演じた黒沢あすかも凄まじい。

実際のところ、サイコパスと呼ばれる人種は人を惹きつけるカリスマ性を持ち合わせており、他者の心理を読み、心の隙間に入り込むのが絶妙に上手い。それを絶妙に演じるでんでんが凄い。

ボデーを透明にする過程を楽しんでおり、その手際の良さは感動的ですらある。

リズミカルなカット割りとBGMで、冒頭から一気に引き込まれ、観ている者も引き返せなくなる。残酷な描写に目を背け深層心理で抵抗しつつも、相反して妙な高揚感を覚える。

しかしこの映画の見所は、村田の狂気で終始するのではなく、冴えない夫であり父であった社本の狂気が終盤、見事に狂い咲く点にある。

人生は、痛いんだよ…。

凄えの観ちゃったよ。もう、でんでんが別の役で笑っていても恐怖しかない。

正に血湧き肉躍る殺人エンターテイメント!
でも絶対にお勧めはしない!

ああああああああ!口直ししたい!