菩薩

婚約者たちの菩薩のレビュー・感想・評価

婚約者たち(1963年製作の映画)
4.0
ネオレアリズモ的でありながらヌーヴェルヴァーグ的である、なんて分かったっぽいこと言ってやろうとって思ったらまんまと失格の烙印を押されたので僕はもう映画好きを公言するのやめます…(嘘です。)

以前、一度時間および距離を置いたカップルが、再び肉体的な結びつきを除き以前の関係に戻る可能性は余りにも低いとどっかしらで書きましたが、今作はそれが当てはまらない稀有な例、とまで言い切れないところがまた面白い。おそらくあのラストをそう言い切ってしまうか、もしくはそうとも捉えないかは各々の人生経験によって変わってくると思いますが、個人的には絶対に後者。あの雨は「君君、何を一人で盛り上がっておるので?」との神の思し召しだと思う(とか言ったら怒られそう)。ゲロシーンのある映画にハズレなしはもはや私の中で確固たる定説となっておりますが、それ以前にダンスシーンがある映画にハズレなしはおそらく全映画好きにとって常識であり、あんな素敵なダンスシーンからおっ始められたらその時点で決まったも同然。今のように通信も交通も便利になりすぎた世に生きる若者たちにこの映画はどう映るのか、渋谷のスクランブル交差点で100人に聞いて欲しい。とりあえず例のちびっこバリスタ君のあまりにも機敏な動きは、職業柄かなり見習うべき点があると思った。
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