昨年急逝したジャン＝マルク・ヴァレ監督の2005年作。
ポップでロックな青春映画であり、家族ものとしても良作でさすがのクオリティー。
好きな音楽にわかりやすく影響受けまくる主人公ザックに共感！
その気持ち、わかる、わかるよ。
壁をピンク･フロイドのアレにしたり、突然パンクなルックスになったりするとこ、めっちゃ好き。
というわけで、この作品は終始音楽が最高です。
特にデヴィッド･ボウイの『Space Oddity』とストーンズの『悪魔を憐れむ歌』が流れるシーンは秀逸です。
ザックのお父さんがお約束みたいに同じ曲を歌うシーンが繰り返されるのもとても好き。いちいち良かった。
男ばかりの5人兄弟でそれぞれに個性的な面々、そりゃいろいろと衝突やらいざこざやらあるよね。。
それでも、なんだかんだいってもちゃんと兄弟の絆はしっかり感じられるし、だからこそ終盤の展開はほろ苦い。
今よりもLGBTに対しての理解が厳しい時代だからこそ、 ザックのセクシュアリティの悩みや父との確執は重い話にもなりえるのだけど、それをあまりシリアスになりすぎず、軽やかにポップな作風で描けているところが素晴らしい。
この作品のタイトルの『C.R.A.Z.Y.』、なんで「.」が入ってるんだろうな？と思っていたのだけど、その意味が判明するシーンでかなり胸熱になりました。
そのネーミングセンス、最高です。
そりゃ、クレイジーな兄弟になるよな…(笑)。
