Kumonohate

美しい星のKumonohateのレビュー・感想・評価

美しい星(2017年製作の映画)
4.0
三島由紀夫の原作未読ゆえにハッキリしたことはわからないが、当時の核戦争による地球滅亡への危機感はとても高いモノだっただろうから、それを地球温暖化問題その他に置き換えた本作は、原作に比べるとポリティカルな側面より “家族再生の物語” としての側面が強調されて見えるのかもしれない、と思った。

だが、そう見えてしまうことこそが、ヤバいことなのだ。

だって彼らは火星人であり水星人であり金星人なのだ。そんな宇宙人たちが地球の抱えている滅亡レベルの問題にワーニングを出しているのだ。にも関わらず、彼らの家族問題に目が行ってしまうなんて。我々地球人の持つ地球温暖化その他に対する危機意識なんてその程度。危機を自分たちの問題として捉えていない。危機を本当にヤバいと思っていない。

なんてことを言わんとしているように思えた。ヤバいと思った。
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