ある点を除けば、おおむね、一般的な家族の話。
お天気キャスターの父と、割と普通の母、フリーターの長男と大学生の娘。
現代的なのかも知れないけれど、母親以外は、互いのことに全く興味がない。
そんな家族に、普通なら一生の間に起こるような色んな出来事が、同じタイミングで一気に降りかかる。
と、まぁここまでは、映画というフィクションでは驚きもしない展開ですが、何故か、そこに宇宙人要素をブッ込んでいるものだから、訳が分からない。
都度、起こっている事柄は楽しめるし、演出も見事。キャストの皆さんの演技も本当に素晴らしい!…のですが、もう全体として何がしたいのか、何を伝えたいのか、観客にどう思わせたいのか、全く訳が分からない。
父・息子・娘が、宇宙人として覚醒した!とか言われてもねぇ…。信じるに足る訳ないじゃん!
"宇宙人"というのは、何かのメタファーか?
…とも考えたけれど、宇宙人として覚醒した!ということが、劇中で事実として描かれたり、嘘だよという種明かし的な描写をしてみたりと、描き方も統一されていないので、どう観ていいのか本当に混乱する。訳分からないですよ…。
桐島の吉田監督の作品だから褒めたいって気持ちはある、けど俺は嘘はつきたくない。分かったフリなどしたくもない。
未知との遭遇?3.11?そんなのは観れば分かるけれど、だから何だよ?それで何を伝えたいんだよ?って感じです。
俺には、とても観客を楽しませるために作られた映画とは思えなかった。
監督の自己満足を満たすため?ゴメン、怒られそうだけど、俺にはそう思えた。
映画は自由。やってはいけないことなんて何もない。どんな残酷なことだって、描いても良いだろう。倫理なんて映画にはどうでも良いことだとは、思う。
だけど、それだけに好みはあるんだよね。俺は、こういった自己満足を主な目的としていると思われる映画は、好きじゃない。