天豆てんまめ

ホワイトリリーの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

ホワイトリリー(2016年製作の映画)
3.7
日活ロマンポルノリブート作品で、元、日活の社員でもあり、ロマンポルノ黄金時代の支えた小沼勝監督を師匠にする「リング」の中田秀夫監督作品。

女性同志の性愛でありながら、支配、被支配の関係性からの純愛悲劇ともいえ、80分の中で濃厚な世界観が表現されていると思う。

仮面ライダーW出身の飛鳥凛さんの艶技は「ヌードになる」などという域を突き抜けて、全身でエロスを表現しようという堂々たるものだった。

また、彼女の一途な純愛を逆手に支配する女流陶芸家役の山口香緖里さんの鬼気迫る存在感と妖艶さも素晴らしい。

この2人の関係性に若き陶芸家、町井祥真さんが入り込み、ねじれていき、そこに男の彼女の西川カナコさんが殴り込み、修羅場になっていくのだが、中田秀夫監督の硬質な映像と締まった作劇と濃厚なシーンが連なり、映画としても完成度の高い作品となっている。

正直「リング」でトラウマになった私はホラー映画から遠ざかった故、「リング」以降、「怪談」を挟み、「ホワイトリリー」が中田秀夫監督で観た作品と少ないのだが、「怪談」の時にも感じた艶めいたラブシーンを撮るのが非常にうまい監督だと改めて思う。

まあ、陶芸教室が舞台なだけに名作「ゴースト」を連想させるろくろシーンが登場し、ジャンル的には「ろくろエロス」と言えるのではないか。ろくろをこねればエロスが立ち上がるという方程式。ろくろの威力恐るべしである笑