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未来よ こんにちはの708のネタバレレビュー・内容・結末

未来よ こんにちは(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっと一緒だと思っていた熟年の旦那から「好きな人ができた」と、いきなり別れをつきつけられ、介護していた高齢の母親は他界したナタリー。時代にそぐわないことを理由に、長年の付き合いの出版社からは契約を打ち切られ、かつての教え子から意見の相違で辛辣な言葉を投げられ、50代後半にしてどんどん孤独になっていくようにも思えました。それと引き換えるかのように、初めての孫が生まれて新たな喜びや幸せを味わえているように思えます。まるで孤独だったナタリーに、柔らかい光が射したかのように思えました。

監督の母親をモデルにしつつ、イザベル・ユペールの当て書きした作品だそうで、「ピアニスト」「ELLE」「グレタ」などかなりエキセントリックで癖の強い役が多いユペールさんが、ここではとてもナチュラルな魅力がありました。

邦題は「未来よ こんにちは」だけど、フランス語と英語のタイトルからして「来たるべき未来」というニュアンスの方が合ってるように思えます。

思い描いた未来と違っても、たとえどん底で孤独を感じても、それでも自分に寄り添いながら乗り越えて生きていくしかない。この作品からそんなメッセージを受け取った感じです。
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