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未来よ こんにちはのsonozyのレビュー・感想・評価

未来よ こんにちは(2016年製作の映画)
3.6
2016年 エリック・ロメールの後継者と称されるミア・ハンセン=ラヴ脚本/監督。
ベルリン国際映画祭銀熊(監督)賞他を受賞。

イザベル・ユペールを想定して脚本が書かれたという事で、60歳を超えて凛として生きるユペールそのものではないかと思ってしまうお話です。
ユペールは全米映画批評家協会賞主演女優賞などを受賞してます。

パリの高校で哲学を教えているナタリー(イザベル・ユペール)は、同業の教師の夫ハインツと既に独立した二人の子供(娘と息子)がおり、一人暮らしの元モデルの母の健康状況は悪化し・・と、ちょっと慌ただしいが充実した日々を過ごしていた。

突然、結婚25年目を迎えた夫から好きな人がいると離婚を告げられ、老人ホームに入った元モデルの母は他界し、出版していた哲学書の契約も終了・・想定外の事態が起こる。

母の飼っていた猫のパンドラを引き取り、孤独を感じつつ自由なおひとり様となったナタリー。
元生徒で、山でアナーキーな仲間とチーズ作りと執筆をして暮らす哲学者ファビアンを訪ねるが、そこでファビアンから批判されたりも。

ラストは娘に出来た初孫をあやすナタリーと静かに流れる「アンチェインド・メロディ」(The Fleetwoods)。

いつ何が起こるか分からない未来。すべてを受け入れ進むしかないという、哀しさや不安を乗り越えていくナタリーのしなやかさが素敵です。
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