うなたま

メットガラ ドレスをまとった美術館のうなたまのレビュー・感想・評価

3.7
ニューヨークのメトロポリタン美術館(MET)が毎年5月1日に開催している「メットガラ」の内側を追ったドキュメンタリー映画。今回の映画は2015年5月1日に行われた「鑑の中の中国」という展覧会のオープニングイベントが舞台になっています。
中心になるのはMETの服飾部門キュレーターのアンドリュー・ボルトンとMETの理事でもありアメリカVOGUE誌の編集長で「プラダを着た悪魔」のモデルにもなったアナ・ウィンター。テーマを決めて展示内容について会議を重ね、テーマが中国ということで政治的にも気を各所に気を使いながら交渉を進めていく様はめちゃくちゃ大変そうだけどかっこいい。
ピリピリした仕事の緊張感と大規模プロジェクトならではのお祭り感もあって久しぶりにこういう仕事がやりたくなりました。
アナはとにかく怖い人というイメージだったけど、言ってることは的確だしとにかく決断力があり一緒に仕事したら厳しいけどすごくやりがいあるだろうなぁと思いました。
レッドカーペットを歩くセレブが映し出されるところはとにかく楽しいです。サラ・ジェシカ・パーカーのヘッドドレスはどうなの?と思いましたが。
最後、華やかなパーティの裏で責任者のアンドリューが誰もいない展示会場を感慨深げに歩いている様子が一仕事やり終えた充実感と会場を独占したい気持ちが現われてて素敵でした。フォーマルな燕尾服風のスーツなんですが、パンツの丈がくるぶし丈ってところもおしゃれだった。あれは誰もが似合うものじゃない。
とにかく世界から一流品を集めたいというアメリカ人の欲求をアートとファッションで表現して世界中に発信する底力に感服しました。
学芸員にちゃんとお金払いましょうよー、日本の偉い人。
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