【隠れた傑作⁉︎シリーズNo.45】
《君から教えてもらったこと、それは、決して、逃げ出さない勇気…》
”アナザーラウンド〟”グッバイ・リチャード〟は、人生観をアップデートさせてくれる素敵な映画だった。その流れで、スペイン映画の本作を。
スペイン・ゴヤ賞受賞作品。
U-NEXTにて。
舞台はマドリード。ガンで余命宣告されたフリアンを、親友のトマスがカナダから訪れる。フリアンの終活に付き添うトマス。かけがえのない四日間を描いた物語。
スペイン映画は肌に合う。繊細な空気感が人間の感情を浮き立たせる。
本作も例外ではなく、愛に包まれたスペイン映画の傑作だ。
邦題は少しベタだけど、原題は
”Truman〟
フリアンの愛犬の名前。
フリアンは愛犬家でもあり、終活の中で老犬トゥルーマンの里親を探している。
”終着点〟に向き合うフリアンの不安と覚悟、そして周りの人々の心情がとてもリアルに生々しく描かれていて、そばで見ているかのような息苦しさを感じる。でも悲愴感はない。
フリアンが息子と熱い抱擁を交わすシーンは情感に溢れ、胸が詰まる…
切なくもあり優しいラストは、観る者に幸福感を与え、息苦しさから解放してくれる。
お互いを認め合うフリアンとトマスの関係性が心地よく、友のあるべき姿を教えてくれる。
有難いことに、自分にも”人生の友〟といえる親友が2人いる。お互いがいざという時、フリアンとトマスのような関係でありたい､､、そんな友に思いを馳せてしまいます。
