Matilda

透明人間のMatildaのレビュー・感想・評価

透明人間(2019年製作の映画)
3.8
よかった!

DVから逃げようとする女性、というより抑圧された世界からなんとか逃げ出そうとする女性、そして待ち構えている困難を描く、まるで社会の縮図のような作品だった。

DVの加害者、被害者、その周囲の人々ということに限らず、支配者として君臨する男性、支配下にある女性、そしてその女性の言うことを「彼女が狂っている」としか受け止めない周囲。こういうことって、社会にいくらでもあったんじゃないか?

客観的に観れば筋が通っているようにみえるから、周りは当事者(ここでいうセシリア)の言うことを信じない。
当事者は真実を知っているから、周りの認識が間違っていることも知っている。だから違うんだと一生懸命主張する。でも主張すればするほどに、おかしな人、狂った人というレッテルを貼られていく。
社会にいくらでもある出来事すぎて、逆に怖かった。

映画としてはカメラワークがとにかく最高。
何かいるのでは?と思わせつつ、何にもいないシーン。私の見間違えでは?何かが動いたりしていないか?とかたくさん確認してしまった😂

本編を見て改めて、予告編で全部見せすぎでは!?と思ったのでそれだけ惜しかった。こういう系は予告編を見ない方が楽しめることもある気がする。

主演のエリザベスモスの演技が本当にすごい!やっぱりハンドメイズテイル観ようかな…。
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