こまつな

透明人間のこまつなのネタバレレビュー・内容・結末

透明人間(2019年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

長いです!記録用
透明人間は実在するのか。
はたまた全て彼女の妄想なのか。
SFなのかホラーなのか分からない演出にすごくドキドキでした。

何も無い所に執拗に目線を向けさせるカメラワークに、透明人間という題も相まって「どこかに可笑しな所はないか?」とついつい目を凝らしてみてしまう…
多分何もない唯の演出だと分かっていてもやっぱり注意深く見てしまう、上手いなぁ。

どっち?となりますが、まず違和感をもったのがベーコンエッグのシーン。
ナイフが視線から消えますが落ちた音がしない。
勢いを増す炎。
炎だけなら超常現象かな?とまだ心霊説も推せましたが、早くもナイフで確信を得てしまいました。

もうちょっと引っ張っても良かったのでは?と思いつつ見続けますが、物理的な干渉はあるものの、相手からの直接的な攻撃等がまだ一切無い…
あれ?もしかしたら心霊なのかも、と再度思わせておいてのペンキで確信を持たせる展開は良かったです。
おおっ!やっぱりな!!と一気に主人公への不信感が消えて見守る体勢になれました。
犬を置き去りにした設定にも納得です。誰かがお世話してたの?と。


透明人間の正体は割と早い段階で兄を疑っていた気がします。
弟のエイドリアンに劣等感を抱いている様だったので、2つの可能性を考えました。
①弟を殺害しての兄が透明人間パターン
②兄弟共謀でエイドリアンが透明人間
結果的にはどちらも正解だったのではないかと思います。


刑務所での面会時に放った兄の言葉「いつも見ている」
加えて殺害した透明人間は兄だった事から、何度か透明の姿でセシリアに会っていたのでしょう。
しかしエイドリアンが残したサプライズというセリフから察するに、最初の方の透明人間は彼だったのかもしれません。
最後のシーンは度肝を抜かれました。
透明人間を見事逆手に取った素晴らしい展開でした。


レビューを見ると、なぜセシリアをもっと美女やか弱い女性にしなかったのか?という内容もありますが、だからこそエイドリアンは“彼女“に“執拗“に入れ込んだのでは?とも捉えられる気がします。
最後に見せたセシリアのどこか狂気気味た笑顔に、あぁ、もしかしたらエイドリアンはセシリアの中に自分と同じ部分を感じたのかなと思いました。
彼女もまた彼の死に“固執“していましたし、食事のシーンのリビングの構図がほぼ左右対象に見えて尚更そう思わせました。
これは無理矢理な捉え方かもしれませんが。


最初は皆に信じてもらえず胸糞展開で終わるのかなと不安でしたが、誤解が解け本当に安心しました!
終始息をのむ面白さでした。
まだまだ考察やツッコミシーンもありますが、2度は観ないかなぁ〜と思うのでこの評価で!
こまつな

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