スズタカ

透明人間のスズタカのレビュー・感想・評価

透明人間(2019年製作の映画)
3.1
後半に進むに連れて、どんどんつまらなくなる。

色々と言いたい事はあるのですが、この映画には、大きな問題点が2つあると思いました。

先ず、1番大きな問題点は、主人公のセシリアが、全く魅力的な人物として描かれていないことです。

精神状態を加味したとしても、最初っから最後まで、終始卑屈な表情を浮かべたセシリアには、おかしさはあれど、女性として、引いては人間としての魅力が何も感じられなかった。

旦那のエイドリアンが、あそこまで執着することの説得力がまるで無く、それによって、この映画自体が成り立たなくなっている。

少なくとも、1シーンは、セシリアを魅力的に描いたシーンを入れるべきでしたね。

続いて、2つ目の問題点。この映画、とにかく何でもかんでも説明しようとし過ぎです。

色んな事のトリックの種明かしとか何やかんや、ちゃんと全部説明しておかないと、何にも考えずに無責任に作ったと思われてしまう、とでも考えたのかな?

俺から言わせると、全部説明しようとする演出は、丁寧さや親切と言うよりも、第一に観客の理解力を馬鹿にした行為です。更に、作品自体をどんどん矮小化する馬鹿げた行為だと思っています。

そのせいで、最初は得体の知れない素晴らしいホラーだったのに、話が進むに連れてつまらなくなって行き、最後には単なる夫婦の痴話喧嘩レベルのスケールの小さな、全く面白味のない映画になってしまっていますね。

総じて、頭が良さげと思わせたい、映画のことが分かっていない人物が作ったつまらない映画だと思いました。
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