Hoshiduru

T2 トレインスポッティングのHoshiduruのレビュー・感想・評価

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)
3.9
映画はいつだって「今」だから、「面白かった〜」で日常に戻れば私は良いんだけれど、彼らは生きてるから、今後ずっと続いていくんだよなってさ、そんな当たり前なんだけどおかしなことを思ったし、今自分がひいひい言いながら生きてるのをまるっと肯定された気になったな。前作の責任を取ったんだなという印象もあった。

大好きな「あの頃」が遠くに行くことへの恐怖は日々抱えていて、たとえば私の大好きな映画は2005年製作なんだけど、画質とか、役者の老いや死が、私を初見の「あの日」や撮影された「あの時」から遠ざかったんだなって、これからもこの距離は広がり続けるんだなって思って見返す度に辛くなっちゃう。

刹那的に生きてた「今」しかなかったはずなのにね、過去も未来もなかったはずなのにね。どこにも終わりがなくて、なのに永遠じゃないんだもん。人生長すぎるし、時は速すぎるよね。

あ、ただ写真が残ってるの、素直にずるいって思った。私は自分の写真が本当になくて、いつも私の存在は記録にも記憶にも残ってなくて、だから彼らとの差に急に悲しくなっちゃった。戻りたい「あの頃」があるの、すごく羨ましいし、誇ってほしい。

不思議なんだけど、平等に全員の幸せを祈ってたし、彼らは一生ここから上がれないんだなって思ってても、エゴなんだろうけど「死ぬなよ、絶対に生きろよ」ってずっと願いながら見てた。どんな形でもいい、ぐちゃぐちゃでもいいから、生きててくれ、幸せになろうとしてくれって思ってた。

本当に20年間しんどかっただろうなと思うし、これからも基本しんどいだろうなと思ったけど、とりあえずここまで生きていてくれて嬉しかった。また会いたいよ。生きて会おうね。
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