月うさぎ

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルの月うさぎのレビュー・感想・評価

4.0
時は1969年7月
アポロ11号は史上初の人類による月面着陸に成功した。
人々は未来に、宇宙に夢中。考古学への関心はすっかり失われていた。
戦争は過去へと押し流され、対立は今や米ソの2大大国を筆頭とする東西冷戦へ。
しかし敗戦国ドイツを引きずる男たちはしぶとかった
彼らの野望とは…?

え?インディー・ジョーンズってそんな映画?って思います?
そんな映画だったんです(笑)

そして、観終わって叫びました!
Magical Mystery Tour !
そうなんです。この映画のコンセプトは「マジカルでミステリーな旅」でした。

1969年のインディーのシーンになっていきなり大音量で流れるのがTHE BEATLES の「マジカル・ミステリー・ツアー」なんですよ。けれど、あれ?この曲は1967年に発売。
アポロの騒ぎとは無関係です。
これは時を表すアイコンではなかったんですね!!
実はこの曲の後にとても絞った音量で流れる
Space Oddity; (スペイス・オディティ)
デヴィッド・ボウイの名曲で、これこそが時を表すアイテムでした!
(リリース日: 1969年 7月11日)
テーマも宇宙飛行士の歌ですし。

インディー・ジョーンズはハリソン・フォードが40年に渡って演じ続けたキャラクターです。思い入れも強く、他の人にバトンタッチして演じられるキャラクターではない、と断言しています。
複雑な人間で、単純な冒険野郎のヒーローではない。
そんなインディーの人生を総括するストーリーを観せたかったのだと。
老いを見せる演出に一抹の寂しさを覚えるものの、結果的に巻き込まれる形であろうと「最後の冒険」に旅立つ姿には誰もがエールを送りたくなるでしょう。当然馬🐎には乗らないとね。
ただ、意図的でしょうけれど、古いスキームが使われているので物語としての新鮮さには欠けると思います。冷静に考えると、ナチスが敵である必要はなかった気がするんですよ。むしろシラクーザの戦いでインディーがなんとかするのが観たいというか。(歴史が変わっちゃうけどね)その方がスケールが大きい話になったような。アルキメデスに感情移入しちゃうインディーとそれを阻止しようとするヘレナ、の方が良かったのでは?なんてね。


ハリソン・フォードがインディー・ジョーンズを分身のように愛しているって事。会社がディズニーになっても「某スターなんとか」と違って、製作総指揮スティーブン・スピルバーグ, ジョージ・ルーカスと、二人が手放さずに関わっている事。それだけで充分じゃないか!って思いました。

インディー。あなたをずっと好きでいたいよ。
月うさぎ

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