JAmmyWAng

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグのJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

5.0
スパロボ風に言えば、まさに「魂」と「必中」をかけたマッハドリルが思いっ切り心に直撃したという感じ。

元々『鋼鉄ジーグ』における司馬宙は、パートナーであるミッチーの操縦するビッグシューターからシュートされるジーグパーツをビルドアップする事によって、つまりは他者の存在によってパーツの集合体として鋼鉄ジーグとなるワケでありました。

今作はその構造をしっかりとベースにしていて、ヒロインのアレッシアの想いを大いなる契機とし、損得を超越した献身によって命を救われた者達の感じた希望が主人公を司馬宙へと変え、そしてさらには鋼鉄ジーグとなっていくという実直な物語なのでありまして、この『鋼鉄ジーグ』に対する理解の深さと正確さにはもう号泣する他に為す術がありませんでした。

ただこの映画の根源的な素晴らしさというのは、「何故大人になってまで魂にヒーローを秘めたりするのか」という点をこそ確信的に描いている事だと思うのです。

その意味で今作は『鋼鉄ジーグ』の枠組みをも超越してしまっていて、もしかしたらフランスにおいては『グレンダイザー』であり、フィリピンにおいては『ボルテスV』であり、僕にとっては『Gガンダム』であり『ガオガイガー』なのかもしれないけれど、とにかくそれぞれの「心に秘めたヒーローを信じる気持ち」が現実においても何か根本的な力を与えてくれるきっかけとなり得るという有り様を正々堂々と描いている。

この映画は、ヒーローが存在する意味、ヒーローを必要とする現実、そしてヒーローに憧れその力を信じるという無邪気な想いをも全部ひっくるめて肯定しているワケで、究極の精神的ジーグブリーカーとはまさにこの事である。

いまだにガオガイガーの『勇者王誕生!』を聴いて勇気を貰っているようなこのド腐れサラリーマンからすればですよ、こんなもんOETSUするに決まってんだろ!一生大切にするわ!!死ねぇっ!!!!!
JAmmyWAng

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