サミー

愚行録のサミーのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
2.8
一生懸命に作ってあります。
そこを感じ取りながら楽しんで見ればよろしいかなと思います。

世の中はなんでも起こりえる。それの善悪は別にして。
これがこの映画の根幹だと思う。
そこに寂しさを見栄という虚飾で隠した「愛」というものがあるのかもしれません。
階級社会であるとかどうやっても逃れる事も変える事も出来ない仕組みであるとかなんらたかんたらは当映画では二次的なものに過ぎないと思われた。
それはそれで良いと感じました。
そして
興味深いのは、とにかく打算で生きてきて時には勝ち時には負けながらも生き残ってきた登場人物達が、感情に流されて行動をした伏兵に会えなく敗れ去ってしまったという点。
これは現実社会でも十分に起こり得る事であり、時にその一度の負けでどのような場であれその舞台から退場しなければならなくなる。これは重要であると思います。


残念ながら登場人物達に同情が出来ない。だから感情移入も叶わない。
それは登場人物達皆がそれぞれに自分勝手な事を言っていたり自己顕示欲を誇らしげにしてみたりとそのように行動しているからかもしれない。しかし悔しいやショックといった感情や描写はあまり強く受けなかった。
おそらく淡々と描いたからだろう。本編中ずっと、論文・レポートを見ているようだった。題名に「録」とありますし映画の作り方は人それぞれですのでそれも一つの作り方でありそれも「是」でしょう。
内容が人間を描いたドラマなのですから、感情に対して心が震えるような感動や心の揺れを熱量をもって描くのもアリだとは個人的には思いましたが、それはそれです。
そこに文句を言うつもりはなく、この様な作り方も一つの形であるな〜と。

良い時間を過ごさせていただきました。
サミー

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