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ドラゴン・タトゥーの女のRyotaのレビュー・感想・評価

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)
4.5
スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによる推理小説 「ミレニアム」シリーズ 第一弾のハリウッドリメイク版

デヴィット・フィンチャー監督がお得意の過激な描写もさることながら、舞台となる北欧スウェーデンの映像がとても美しい。
毎冬に暖かい部屋でこの映像美に酔いしれるのが毎年の恒例となっているほど 好きな作品です。

【あらすじ】
とある実業家の不正を記事にするも、調査不足により名誉毀損の有罪判決を受けた主人公ミカエルが、
その不正を裏付ける証拠と引き換えに、ある一族の過去にまつわる忌まわしい未解決事件の調査を依頼される。
そして彼の助手となるのが、本作の真の主人公である”ドラゴンタトゥーの女”ことリスベット。
幼少期に負った心の傷から社会不適合とされる一方で、裏では天才的技術を持つ調査員として探偵会社で活躍しています。

この二人が「女を殺した奴を探す」という共通の使命のもと、未解決事件の解決に挑んでいきます。
リスベットの協力のもとで既知の手掛かりが次第に繋がり真実に近づいていくミカエル。
サスペンスやミステリー映画好きを十分に満足させてくれるストーリーです。

そしてこの映画の一番の魅力はミカエルとリスベットのキャラクター。
出版社の経営者として、真実を追い求める記者 ミカエルを演じるダニエル・クレイグは
ジェームズ・ボンドで定着した強い男とはまた違った一面を見せてくれます。
(もちろん彼特有のダンディさは健在なのでご安心を)

ルーニー・マーラーが演じるリスベットはパンクファッションに身を包み、その卓越した能力を使って物怖じせずにミカエルをサポートする強い女性。
その一方で、劇中に垣間見せる心の傷とミカエルの淡い恋心はこの作品により一層の深みを与えています。
タイトルにある通り、まさしく彼女はこの作品に欠かせないヒーローであり、ヒロインなのです。


重厚なストーリーとキャラクター描写、そして映像美 この三拍子がそろった作品。
人を選ぶと思いますが、「ハンニバル」や「セブン」といった猟奇的な事件を扱う作品に抵抗が無い方へは是非おすすめしたい一本です。  

冒頭に書いたとおり、過激な表現が多いので誰かと一緒に鑑賞する際は気を付けること。
相手によっては気まずくなります。特に異性とか・・・。
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