Ryota

クワイエット・プレイス 破られた沈黙のRyotaのレビュー・感想・評価

3.5
突如として地球に飛来したエイリアンから身を守る為に沈黙の生活を余儀なくされた一家の姿を描くSFホラー2作目。
前作では新しい日常を受けいれながら、逞しく生きる普通の家族の姿が丁寧に描かれており、エイリアンの咆哮と共に崩壊していく幸せな日常にリアルな恐怖を感じた。

残念ながら本作ではそういった新鮮味は鳴りを潜め、前作のおまけ・後日談といった印象を受ける。後半にかけての予想通りで、ややお粗末なプロットは既視感を感じるし、前作の様な丁寧な人物描写は希薄となり感情移入ができない。冒頭の回想シーンは前作を鑑賞済みなら不要だろう。伏線はあったものの、監督のジョン・クラシンスキーが自ら演じる役を再登場させたいが為に挿入された様に思えてならない。

とはいえ、2作目のジンクスは越えられなかったものの、優秀なSFホラーに変わりはなく、そのスリルは本作も健在。ゾクッとするシーンが盛り沢山で映画館で体感する価値はある。絶望から立ち上がり、主人公達を助ける主人公の旧友を演じるキリアン・マーフィーの好演も良し。

あと一つ付け加えるのならば、前作のラストで宣戦布告だと言わんばかりにショットガンを手にした一家の母を演じるエミリー・ブラント。
エイリアンを相手に果敢に戦う女性の勇姿を期待していたが、そこまでの活躍は観れなかったのが少し残念。
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