いかすみ

マンチェスター・バイ・ザ・シーのいかすみのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

過去の辛い事故から抜け出せないリー。
甥のパトリックと過ごすことで少しずつ前向きに生きていくことができるのか…と見せかけて、現実を突きつけられる映画っぽくない映画。

バンドの練習のドラマーの子とか、
ホッケーのチームメイトとか、
あまりにも自然な日常が印象的だった。

ボストンでは無愛想ながらも
仕事をこなしていたリーが、
マンチェスターに来てから攻撃的、
感情的、閉鎖的になっているのが、
痛いほど伝わってきた。

取調べの後「もう帰っていいのか?」とか
感情が昂るとバーですぐに人を殴るところとか。自分を責めて欲しい。痛めつけて欲しいって罰を受けるためにやっているような気がした。

新しいパートナーと子供がいるランディ。
「あなたを許すわ」と言ったランディ。
確実にあの事故から時は経っている。
しかしリーだけは
いつまでも心は壊れたまま、
時間は止まったまま。
兄のジョーの部屋には沢山写真が
飾られていたが、
リーが大切にしている写真は
3枚から今後増えることはない。

「乗り越えられない。」のシーンが、
心にグサッと刺さった。
いかすみ

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