アキラナウェイ

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

3.9
マクド。関西ではもっぱら、マクドです。
でも、僕は英語発音のマクダーーナルが好きだな。
でも、その響きが美しいからってマクドを買収するかというと、しない。そんなお金ない。しかし、そのマクダーーナルの美しい言葉の響きに心奪われ、我が物にしようとした実在の人物、レイ・クロック。

そんな彼の伝記であり、世界最大のファストフードチェーンストアの創業当時を振り返る物語。

レイ・クロック、恐ろしや〜!怖いわ〜!

強欲
我儘
浅ましい
駄々っ子の様に、欲しいものは全て手に入れる執念の男。

はっきり言って苦手なタイプだけど、マイケル・キートンがその毒っ気と、しかしながら真っ直ぐな生き様を魅力的に演じており、楽しめた。

1954年、レイ・クロックはレストランに足を運び、ミルクシェイクミキサーを売っていた。売れ行きは芳しくない。そんな中珍しく大量注文を受けたレストランを訪れる。マックとディックという兄弟が経営するマクドナルドというレストランは、メニューをハンバーガーとポテトとソフトドリンクのみに絞り、30秒で商品を提供する人気店。レイは兄弟にフランチャイズ化を持ち掛ける。

商業主義からは距離を置いていた筈のマクドナルド兄弟だが、レイの執念に根負けし、彼にフランチャイズのマネジメントを任せる事になる。

商品の質を重視し、堅実な経営を目指す兄弟と、大量出店を加速させ、経費を抑え利益を上げる為には変化も辞さないレイ。このぶつかり合いが面白い!

何が怖いって契約が守られない事。
ビジネスの為なら悪魔にもなる。
そんなレイを相手にした兄弟があまりに不憫だ。

最後にちょっとしたネタバレあり、です。














マクドナルドという店だけでなく、気になっていた人の奥さんまでも、欲しいものは全部手に入れるレイ・クロックに背筋が凍る程の脅威を感じる。

ラスト、屈託なく笑いながら人のものを奪い取って誇らしげにしているご本人のインタビューに心底ゾッとした。

…けど面白い!