ぱやぱや

ウインド・リバーのぱやぱやのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.9
決して派手ではないけど硬派で堅実な良質サスペンスドラマで、この平均点の高さも肯ける完成度だったと感じた
謎が深い訳でも、トリックがあるわけでもなければ、カッコいいアクションがあるわけでもないんだけど、何故か時間を忘れて観てしまった

以下概要
極寒のアメリカ中西部にて
娘を失い妻とも離婚したハンターの男が、先住民の少女の凍死遺体を発見する
その少女はハンターの娘の友人であった
ハンターは、要請を受けて来たFBIの女性の捜査に協力することになるが…



以下感想

雪の降りしきる土地の静けさと、印象的な音楽の対比が素晴らしくて、それだけで世界観がぐっと深まっているように感じた
ただ少女が強姦され殺されて、その犯人を見つけるというだけなんだけど、その少女や家族の思い、そこに民族やら土地柄の事情も相まって、色々考えさせられる社会派の映画となっていた
こんな変哲もないというと失礼かもしれないけど、ストレートである意味では地味な流れのサスペンス(大筋だけでいえばドラマの1話でありそうな)なのに、長時間の映画でも飽きさせず観客を惹きつけてくれるのは監督や脚本の手腕が大きいと思う

あとは主演のハンター役ジェレミー・レナーの演技が見事だった
いつも落ち着いていて内に色々な物を秘めて、それでいてぐっと押し黙っているような表情が印象的だった

田舎など自然が厳しく何もないところというのは、こういうことが起こりやすい独特の空気があると思う
田舎ではいつも鬱々とした言葉にできない何かがあり、いじめや性犯罪の温床になっていたりしがち(私も田舎出身なので)
ラストの犯人の独白シーンではそういうことを考えさせられた
と同時に、実際に先住民の女性が失踪者の統計に入っていないという、アメリカの人種の闇の深さもあるんだと知った
そういった問題提起の面でも良質なドラマだった