このレビューはネタバレを含みます
エッセンシャル・キリングのイエジー・スコリモフスキ監督最新作。
ある街の17時からの11分間の男女に起こる出来事を描いた群像劇。
年齢的にも名実的にも名匠と呼ばれるスコリモフスキ監督が描く群像劇という事で、ラストにどれだけ衝撃的な出来事が起こるか楽しみにして鑑賞。
映画は様々な思いを抱えた男女がかなりの人数登場して、ラストに向けた撒き餌をこれでもかとばら撒く。
嫌でもラストに何かが起こる事を暗示する展開が繰り広げられる中、ついにラスト・・・なんだが、
個人的にはクラッシュ的な哲学的な交差をして終わるのかと想像していたのだが、
これじゃピタゴラスイッチじゃねえか(笑)ってなっちゃった。
だってあまりにもひとつの出来事に対して連鎖的に登場人物が巻き込まれていくんだもん。
確かにそこまでに共通するテーマはあるんだけど、それを通り越して、ラストのきっかけのあまりにもな、うっかりさんっぷりに笑ってしまった。
分かるのよ、死兆星のような暗示とかね。
でも、あれだけ勿体ぶってこれが各キャラのリンクかよ、って個人的にはゲンナリ。
群像劇で各エピソードを交錯させないのも不満だけど、この映画みたいに交差すりゃ良いってもんでも無いな、と感じた。