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イレブン・ミニッツのn0701のネタバレレビュー・内容・結末

イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

すべてはラストのためだけにある。
怒り狂った男がドアをぶち破ると、体調不良でグッタリ項垂れる女が男に抱きかかえられている。女を見た男は更に激情し、男に向かって突撃すると、勢い余ってぶつかってしまう。

抱きかかえていた男と女はホテルのベランダから地上に真っ逆さまに落ちていく。寸での所で女の腕を掴んだ男は女の身体を支えるので精一杯だ。

地上に向かって落ちてゆく男は、不運にもその真下にいた窓拭き業者のクレーンにぶつかり、その衝撃でそのまま業者の男と共に落ちてゆく。

そこへ偶然通りかかった救急車がぶつかり、中に設置されていたガスが充満する。更に、よろけてバスにぶつかり、バスは横転。救急車も横転しながら、ガスに引火し、爆発する。

一度の爆発ならまだしも、もう一巻設置されていたガスボンベにも引火し、大爆発を引き起こし、ホテルの窓という窓が割れる。

その一部始終を見ていたホテルのベランダで女の腕を掴んでいた男は、男を追いかける謎の二人組の男に取り押さえられ、その拍子に女の腕を離してしまう。

スローモーションで落ちていく女と黒煙を上げながら大惨事を映し出す監視カメラ。

街のあらゆる監視カメラは、凄惨な事実をただ淡々と並べ映す。それらは幾重にも連なり、まるでモザイクのように画面いっぱいに並べられ、物語は終わる。

物語は終定不可思議な視点で描かれていた。
それはあくまで主観的な目からのものであったが、物語を終えるとき、それはあらゆる客観の総体である監視カメラによって閉じていく。

内容自体はラスト以外、伏線とも思えるような人間ドラマの群像劇であったが、なんてことはない。それらはただの副産物で、別段あってないようなものだったのだ。
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