あきしげ

帝一の國のあきしげのレビュー・感想・評価

帝一の國(2017年製作の映画)
2.5
えっ?主人公は大鷹弾じゃないの?帝一は何かしたか?

完全に大鷹弾のおかげで盛り上がった作品だと思う。
彼の存在がなければ、物語は動かなかったし、帝一は単なる総理大臣になりたいだけの空っぽな人間になってしまっていた。

そこで気持ち悪いぐらいに人間味のある大鷹弾の登場で、嘘くさい雰囲気が漂う本作に少しだけのリアリティを持たせてくれた。

途中から、これって大鷹弾と帝一を主人公と脇役で入れ換えても違和感ないどころか、逆にしっくりと来る。

それぐらい帝一は自分の事ばかりしか考えておらず、本物だった大鷹弾の圧倒的な人間力に遠く及ばなかった。

だから生徒会長選があのような構成になったと思う。
なぜなら、帝一がいたところで自分の事しか考えていない人間に大鷹弾のセリフを口にできないから。

そこら辺、完全に大鷹弾が主人公のような動きをしてしまった。
逆に主人公だった帝一は小さい事を解決する程度に留まる。
この違いは明らかに人間の器の大きさを現していたが、主人公である帝一の為に仕方なく華を持たせたような印象を受けた。

結局、物語を通じて帝一と大鷹弾は成長しているが、両者の成長具合が天と地ほどの差があったと思う。

どうにもそこの違和感が最後まで拭えずモヤモヤした気持ちでした。

あと、これは実写映画よりも舞台として鑑賞した方が面白いだろう。実際に役者の熱が伝わって、より世界観に入れるだろうと思った。
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