バイ、ユキオ〜
(ユキオってウルヴァリン SAMURAIに出てたユキオ?!)
デッドプールシリーズのなかでは一番好き!!
1作目を初めて観たとき、アクションはMCUではあまり観なかったようなスピーディ&バイオレンスで、お喋りはデップーらしくおふざけがし過ぎていて、やはり第4の壁を破って観客に語りかけてくる演出が、その当時は新しい痛快さに感じた。
その一方で、第4の壁を破るがゆえの悪癖というか、1作目ゆえの説明しないといけない要素があるせいか、いちいち回想シーンが挟み込まれる展開は物語を停滞させているように感じ(というか現在進行パート自体は意外にも物語があまり大きく動いていなかった)、周りの評判ほどはハマっていなかった。
その点において2作目は、前作で良かったところがよりパワーアップして帰ってきたようで、シンプルに続編として大変楽しめた!
中盤、ミュータントを輸送するトラックからファイアー・フィストを取り返すため結成されたXフォースによるミッションシーンは、当時劇場で観て「いくらなんでもふざけすぎだろ…」と良い意味で唖然とした笑
全ドラマ史上一番好きな『ブルックリン・ナインナイン』にも出ているテリー・クルーズや、まさかまさかのブラッド・ピットの豪華&雑すぎる扱いには笑った笑
そしてそこからのケーブルとのバトルシーンも、前作よりスケールアップしただけでなく、87イレブンによるスタントコーディネートが決まった、めちゃくちゃ格好いいシーンとなっていた!
ドミノのキャラが良い!カッコイイのよ!
ちなみに、ここの場面でデッドプールが二刀流の弾避けをする場面は『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』を思わせる場面で、普通に銃弾食らいまくっているデッドプールに爆笑してしまった笑
その一方で、このシークエンスのあとに起きる、デッドプールの下半身がアレになっちゃっている場面は、「このギャグ、どんだけ時間引っ張るんだよ!」というしつこさがイライラしながらも笑えてくるのはさすがはライアン・レイノルズ。笑
T・J・ミラー演じるウィーゼルの、物語の本筋とは関係ないところでずっとしゃべってる感じが好きだった…!
たしかに、前作以上に物語に関係ないジョークを言い合う場面が多く、それゆえ物語が却って停滞してしまっている場面が多々ある、という意見もごもっともだけれど、個人的にデップーはこれで良い!
というか、このあとに『デッドプール&ウルヴァリン』を観てみると、本作が一見関係のないギャグを言っているように見えて、実はちゃんとそのあとの伏線に繋がっていたり、目の前で起きていることの裏返しに実はなっていたり、とそれなりにギャグに理屈が実はあるから笑えるんだ、ということに気付かされた!
彼はアンドリュー・ガーフィールド版やトム・ホランド版のスパイダーマン同様、しゃべり続けていないとむしろ正気を保てないぐらい、だからしゃべり続けている、だから露悪的なギャグを言い続けている、というのが見続けていくとわかる。
(と思ってしまうぐらい、やはり『デッドプール&ウルヴァリン』のギャグや物語展開には心に響くものが全くなかった…TT)
ちゃんとひとつひとつの場面が、のちに意味合いが変わって再び出てくるのも、実はこの映画単体の演出としてとてもロジックが通っていて、特に「胸を打ち抜く一発の銃撃」「塗り替える過去」、これが序盤のショッキングな場面と呼応するように終盤描かれ、それぞれが「自分が正しいと思うことを選択する」ことで結果人を救うという、ヒーロー映画としてちゃんとやるべきことをやっているのが本作に通底するテーマにもつながっていて本当素晴らしい。
そして再度、本作最大の感動はミッドクレジット後にあった。
現実は映画のように過去を塗り替えることはできないけれど、でも、あのときはあのときで、自分にとって「これが正しい」と思うことに全力で取り組んできたんだよ!!俺ちゃん、よくここまで頑張ってきたよ!!!という、デッドプール流の自分への露悪的なギャグで包んだ、実はまっすぐで熱いエールのように感じた。
そして本作にはローガンへの彼なりの賛辞も実は含まれていて、本作が公開されたのが2018年6月、『ローガン』が公開されたのが2017年6月、というタイミングで前作から散々一方的にイジってきたローガンの有終の美に対する彼なりの愛情が溢れていて良かった。
だからこそ、なおさら、『ローガン』の墓をMCUが掘り起こす必要なんて全くなかったんだよ…!
マルチバースはジェームズ・マンゴールド監督曰く、「ストーリーテリングの死」というけれど、これ本当その通りだよ…!
(ちなみに2018年4月には『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が公開され、いま思えば当時はヒーロー映画にとって良い時代だった…!TT)