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太陽の蓋のdarumaのレビュー・感想・評価

太陽の蓋(2016年製作の映画)
3.9
映画新聞記者の公開時に北村有起哉さんの事を呟いたらお勧め下さった方がいて、FODにあるので鑑賞。福島原発の話なんだけど、これはとても難しい…どう思うべきかが。かなり当時の政権寄りで(東電を責める場面多。名前は別名)これだけを鵜呑みにするのは危険かも、でも凄く考えさせられる。

おばあちゃんが仏壇に手を合わせる所がグッと来た(震災で亡くなったのではなく、帰宅困難地域で一時帰宅)。あとラストの原発で働く青年の一言が重すぎた…事故のせいで遠くの牛飼いが(売れなくて)命を落とす、背負う必要のない事に責任を感じる姿が痛々しかった。どちらも当事者に罪はない。

特筆すべきは新聞記者の北村有起哉さんが同じ記者役に加えて(こちらはかなり感情豊か!)、郭智博さんが原発作業員(前述の青年)。スターサンズの河村プロデューサー、これ観てキャスティングしたのかな!?あと柴公園の大西信満さん、違いすぎてわからなかった!(誉めてる)

エンディング曲が何かに似てるなって考えてたんだけど、仰げば尊し?(オマージュ?)3.11という時期なのか、尊びつつも捨て去るべきという暗喩なのか。

脚色あるとは思うけど、不勉強で知らない事だらけ、事実を知ることは大事だと改めて思った。今観てよかったと思う。Fukushima50も観たい。

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(感想読んで追記)
そうそう!実話ベースなので実在の人物がたくさん出てくるんですが、中でも菅原大吉さんがめちゃくちゃ似ている…と思いました(個人的に)。

あとこの映画の制作年!2016年…このテーマを取り上げるのがかなり早い。先駆けとも呼べると思う。

そして私、原発不要論を見かけるとどうしてもそこで働く人たちの身の振り方について考えてしまうんですが(金の成る木とありましたがまさにそうで、結局その町は原発で成り立っていると思うから、事実として。現に北海道でも核のごみ処分場誘致が今になってされている。過疎にはそれしか財政を支える手段がない)、実際に働いている人のプライドや思うことが最後の台詞で少し見えた気がした。
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