SPNminaco

ガール・オン・ザ・トレインのSPNminacoのレビュー・感想・評価

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捻った構成や展開に翻弄されミスディレクションされつつ、犯人探しとかミステリーよりも3人の女性たちの受難にどんより。アル中演技が凄まじいエミリー・ブラント、心を捨て身体だけのヘイリー・ベネット、貫禄あるレベッカ・ファーガソン、三人三様の芝居をたっぷり堪能。その分男性陣は影が薄いけど、そういう話だから仕方ない。ルーク・エヴァンスのキャスティングは確かに先入観与えるのに十分だったが。
列車から覗く範囲だけでは窺い知れぬ本当の姿。ミステリーとしては「信用ならない語り手」を逆手に取るかのようで巧いけれど、嫌なのは女癖云々よりも、こうして弱みを握り自尊心を奪い屈辱を与えるのが如何に簡単か(だからままある)という主導権の構造だ。しかも子供を巡って更にアンバランスが生じる。けど、この映画も最後にはシスターフッドが救いとなるのだった。それでもどんよりしちゃうんだけど。
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