父母ともに癌

大奥浮世風呂の父母ともに癌のレビュー・感想・評価

大奥浮世風呂(1977年製作の映画)
3.8
大奥浮世風呂、という名詞が「江戸風ソープランド」だということに私が気づいたのは映画も中盤に入ってからでした。
目の前では将軍と腰元のイメクラプレイが繰り広げられており、非常に驚いたのを覚えています。
この時代のこういうユーモア感覚というのはなんなんだろう。
セックスとギャグの融合がいききっていてとっても面白い。
ホモ坊主とか、インポ将軍とか、キャラが強くていきいきしている。
ラストのカラスなんて最高です。
でも話の展開は決してコメディでは無くってかなり悲しくて、サスペンスフルで、それでいてハードボイルド。
最終的には、下の下の暮らしをしている庶民の将軍家への苦い、それでいて最大の復讐が行われるんだけど、このドラマチックさがすごい。俺は貧乏人として胸が熱くなりました。
あとは初瀬が掘られ坊主に犯されるシーン。あんな禍々しいセックス。
またそれを見つめる志賀勝の顔が最高。
この映画は志賀勝がとにかく活躍するんだけど、確実に菅原文太や松方弘樹が持っている男の色気、みたいなものが志賀勝から匂い立っていて、すばらしい。ピラニア度が低い。スターの演技。
対してつまらんホモ野郎を演じる岩尾正隆は完全にピラニア。男の色気に狂って志賀勝に殺されるろくでもないチンピラの役なんだけど、最高だ。室田日出男感がある。

面白かったな。
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