男性の乳首の役割について、有識者の間ですら明確な答えは出ておりません。
【説】
寒いと固くなるのは、身体が発する危険信号だ
【反論】
硬度を寒暖の基準にする奴はいない
【説】
短距離走で少し有利になる
【反論】
ゴールテープと高さが合わない
【説】
触られると気持ちいい
【反論】
くすぐったいやめて
と、決め手に欠く説が飛び交い、疑問は疑問を呼び、血で血を洗う討論は繰り返されます。
本作は女性器が男性器を噛み千切るという、子孫繁栄に真っ向から喧嘩を売る女性のお話です。
生殖器に生えた歯の存在意義は『攻撃』以外にあり得ず、果たしてそれが何の役に立つのか明確な答えが見出だせないことから、乳首問題と双璧を為す現代医学における最大のミステリーといえるでしょう。
攻撃型生殖器の持ち主である主人公は不憫でなりませんが、これはこれでひとつの特徴として生きてみるのはいかがでしょう。
え。奥さん。
高い位置の食べ物をとる為にキリンの首が進化したように、不細工な男がトークスキルを磨くように、下半身がセクシャルな武器となり得ないなら他の武器を研磨すべきです。
え。奥さん。え。
顔でもスタイルでも、何かしらにコンプレックスを感じる女性は、それを補うかのように、料理が得意だったり、お話が上手だったり、口でゴムを付ける特殊な技術を持っているものです。
主人公は人に危害を加える自分の身体に嘆くだけで、解決策を全く練ろうとしないのが見ていて腹が立ちます。
前に進む気概を感じ取れません。
よく『女の相談にガチのアドバイスをすると嫌われる』と言いますが、本作はそういった悪いとこが全面に出てるのに加え、わけのわからんドカジャンの男とのラブストーリーが設定を台無しにしている感が否めませんでした。
ギャグならギャグ、ラブロマンスならそれはそれで振り切ってほしいものです。
つかみは面白いのに非常に勿体ない。