ROY

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめのROYのレビュー・感想・評価

3.9
東京国際映画祭にて観賞
STAR CHANNEL MOVIES セレクション

上映前のシトウレイさんと立田敦子さんのトークショーは面白かった。劇中での黒の使い方や服装の変遷、音楽の使い方など、こういう着眼点もあるのかと思った。おかげでよりこの作品を楽しむことができた。さらに、ソフィア・コッポラは写真家としての側面があるので、画の作り方が写真家らしく、動線が作り込まれているという。写真集をめくっているような感じだと。ロウソクや自然光の使い方は『バリー・リンドン』を参考にしたそう。

beguil: 騙す。楽しませる。喜ばせる。紛らわす。魅了する。

原作はトーマス・カリナンの同名小説。
1971年にドン・シーゲル監督が『白い肌の異常な夜』という日本語題で映画化されているので、今作は実質リメイク版といったところ。舞台は南北戦争時代で、今作は脱走兵を描くのではなく、取り残された女性たちの視点から描かれている。ドロドロしたものを美しく描くとより恐くなる。

前半のいかにコリン・ファレルに目をつけてもらえるかのポップな愛憎劇から一転、後半の『ファントム・スレッド』のようなゴシックな雰囲気の変わりように恐怖を感じた。

この年にニコール・キッドマンはカンヌ国際映画祭で第70回記念名誉賞を受賞した。
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