最近は頭がいくつもあったり、空から降って来たり。サメ映画の進歩は著しい。
個人的には怖がりの痛がりですから、サメ映画はジョーズ以来の2本目です。
シンプル イズ ベスト。
無駄を省いたプロットが根源的なサメの恐怖を際立たせる、なかなかの良作です。
亡き母から教えてもらった秘密のビーチを訪れた医学生ナンシー(ブレイク・ライヴリー)。日頃の悩みから解放されるかの様にサーフィンを楽しむナンシーだが、人喰いザメに襲われ一転窮地に立たされる。
面白いのは一度目のサーフィンと二度目のサーフィンとの対比。ナンシーの心情と周りの情景と音楽を、ガラッと変えて対比させる監督の手腕。上手い!
86分という短尺の中で、ナンシーの人物描写はスマートフォンによる家族との会話でさらっと見せてしまう。
亡き母への想い
父との確執
医学の道への迷い
一度目と二度目のサーフィンの間での父との会話で垣間見えたナンシーの内面。周りの情景も不穏な空気に包まれていく。
サメに襲われた後、何とか小さな岩場まで辿り着いたナンシー。
潮の満ち引き=「時間」
岸やブイまでの距離=「空間」
それらを駆使した見せ方がまた俊逸。医学生設定も生きてくる。文字通りナンシーの一人舞台で、サメとの完全なる一騎打ちに胸が高まる!
美しくも逞しいブレイク・ライヴリーが印象的。
何とライアン・レイノルズの奥さんだそうで。何ともうらやまけしからん!
サメ映画初心者も安心して観れる優等生的サメ映画でした。