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群衆の中の一つの顔のAJAPARATIONFILMのネタバレレビュー・内容・結末

群衆の中の一つの顔(1957年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

監督はエリア・カザン。脚本は名作「殴られる男」の原作や「波止場」の原案などを手掛けたバッド・シュールバーグ。撮影は14回アカデミー撮影賞にノミネートされ2回受賞したハリー・ストラダリング。スタッフだけでなく俳優もなかなか豪華だが、長くなるので割愛する。メディアの恐ろしさを描いた傑作。同時代のマスメディアの人々が主役の「成功の甘き香り」などといった作品よりもシドニー・ルメットの「ネットワーク」を思い起こさせる。話の筋自体シェイクスピア的で大変面白いがネタバレになるので割愛。演出はキレキレで撮影なども陰影が印象的で実にいい。俳優たちはどれも魅力的。当時よりも、誰でも気軽に情報を発信できる現代の方がこの作品の恐ろしさを痛感できる。社会派のイメージが付いているエリア・カザンだが、「アメリカ・アメリカ」の重厚なドラマや今作のような気持ちいいテンポの作品を見ると監督の多彩さに驚かされる。一見の価値あり。
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