風の旅人

カフェ・ソサエティの風の旅人のレビュー・感想・評価

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)
4.0
「人生は喜劇だよ。残酷な筋書きの」

『ミッドナイト・イン・パリ』の夢の心地良さを期待した観客は、現実のほろ苦さを味わうことになるだろう。
『ミッドナイト・イン・パリ』と『カフェ・ソサエティ』は似て非なる物語である。
どちらかと言えば、『ラ・ラ・ランド』に近い印象を受けた。
予告編では「ひとりの男とふたりのヴェロニカ」の三角関係を描いたようになっていたが、この映画は「ふたりの男とハリウッドのヴェロニカ」の物語であり、「ニューヨークのヴェロニカ」は添え物に過ぎない。
物語は夢を求めてニューヨークからハリウッドにやってきた青年が、恋破れてニューヨークに戻り、現実的な幸せを見つけた矢先、昔の女が現れるという内容である。
「夢を見ているような目」で、あり得たかもしれないもう一つの可能性に想いを馳せるラストが切なかった。

恋愛と結婚の違いをまざまざと見せつけられた。
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