えちぜん

ありがとう、トニ・エルドマンのえちぜんのレビュー・感想・評価

4.7
あまり期待せず観たけどこれはすごい。こんな映画観たことないという理由で今年のベストスコアです(*´ω`*)

まずコメディ?なのに3時間もやるのが前代未聞。しかもBGMにも頼らない。セオリーとはまるで違うはずなのに、痛々しさ、寒々しさがとてもリアルで、ブラックなユーモアに今年1番笑えました(๑˃̵ᴗ˂̵)

先に父ちゃんが面白キャラできてるから、娘は対比の構図として普通キャラかと思いきや、話が進むとこの娘もかなりトンガっていることがわかる。かと思いきや、どっちもギザギザなのに、まるで歯車のように噛み合っているというキャラ立ちの不思議さ。ボケとツッコミが混在しながらも成立してる漫才を見たときのような感じ、とでも言えばいいのか?

長尺の話のなか、ハダカとか、着ぐるみとか、シュールな場面が続くのに、なぜかリアリティはきちんと地に足が着いているという奇妙さ。たぶん、滑稽ななかにも、父と娘の行き交う感情がしっかりと伝わってくるから浮いてないんだと思う。ワタスも娘持ちだけど、ウザい親父だと煙たがりつつも、決定的には突き放さない娘の信頼感が最高に羨ましい♡たとえ世界中を敵に回しても、根底には「私たちは絶対に味方同士だから」という強い愛が伝わってくる。

露骨に笑わそうとしてないのに笑えるし、その向こう側には強い親子愛を描いているし、このあたりのセンスが過去の映画に類を見ないな〜という感じで、正統な映画人じゃなくて、お笑いの人とかに近い属性なんじゃないですかね?個人的には、ダウンタウンの松っちゃんがまだ「シネマ坊主」続けてたら、ぜひ見てもらって感想を聞きたいところです( ͡° ͜ʖ ͡°)
えちぜん

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