ん？なんだろう。格差社会への皮肉や国の援助を受けられない貧しい人々を描くって意図は理解できるけど全然響かなかったしそれどころか100分間ずっと感情移入ができなかった。
まず第一に行政側の事情を一切描写せずにただ苦しめられる市民たちだけを映し出すうえ、そもそもダニエルが手当を受けられなかったのはカウンセラーに横暴な態度を取っていたのも一因で、再度の心臓発作の恐れで仕事ができないのは気の毒だけど反抗的な態度を取り続ける彼にも問題があるから行政側一手に責任をなすりつけるような製作者の独善的な思想が入り混じってるのが気に食わない。おまけにどこにいってもどんな職員も冷たくて融通が効かないっていう同じ対応が''お役所''のイメージあからさまでフィクションくさい。またケイティが道に迷って時間に遅れた件もしょうがないことではあるけど、規則通りに行動するのが公務員のあるべき姿であって一度でも例外を作れば他社にも同様の対応をしなければならないのも納得で全編通して一方的な見方しかしないのに''風刺映画''だなんて笑えない冗談だった。
他のレビューしてる人とは違う部分で苛立ちを覚えた作品。『万引き家族』の方がまだ同情できる。
