tyapioka

わたしは、ダニエル・ブレイクのtyapiokaのレビュー・感想・評価

4.0
濁った鏡をふく場面のやるせなさ。風呂掃除中タイルが落ちてきて台無しになるやるせなさ。空腹と缶詰め。パソコンのエラー。顔の見えない電話越しの役人の冷たさ。規則の冷たさ。こういった惨めさと、それと対称的な実際に会う人間の暖かさがしみる。そして一瞬のカタルシス。それでいて、徹底的な敗北の社会派映画。しかし、これはあくまで弱者視点の物語であり、ある種のご都合主義な展開も多い。どうしようもないほど屑な弱者が登場しないのはフェアじゃないし、規則に乗っとる役人側にも葛藤はあると思うし、これだけでこの問題を判断するのは早計だと思う。問題提起という点ではとても優れており何ら解決もないエンドもよい。
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