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わたしは、ダニエル・ブレイクのariiiのレビュー・感想・評価

4.5
泣いた。。。
苦しくてやるせなくて悲しくて悔しくて、涙がこぼれた。

1人1人、ヒトとして。
収入とか外見とかそういうものに捉われずに。
偏見を持たずに接すること、できているかな、と。

どんな人だって、悪さをしたいわけじゃない。法を犯したいわけじゃない。
1日1日その日を生きるのに必死で、為す術がないこともある。
良心のある人がどうか救われてほしい、そう願ってしまったけれど。。。
それはただ感情移入してしまっているだけなのだろうか?
社会的弱者と呼ばれるような人たちのことを哀れみの目で見てしまっているのだろうか。
わからなくなった。

海外の制度は勉強不足で知識がなかったからか、困った人が助けてもらえないなんて冷たすぎると思ってしまった。
役所の人たちも仕事も冷たいな、、と思ってしまった。
だけれど、役所の人からしたら、規則を守って仕事をしているだけ、だとも思った。
自分がもし役所側の立場だったら?
さすがにパソコンの使い方は手取り足取り教えてあげたいと思う。
だけれどできることは少ないのかもしれないな、と。

こういった社会問題は本当に難しい。
助けたい、その気持ちだけではどうにもならないことが多いから。
でも、冷たい世の中は、変えたい。
知ることから始まるなと思う。

"人生は変えられる。
隣の誰かを助けるだけで。"

ジャケットのこのキャッチコピーを見たとき、作品を観る前と後では感じ方が変わった。
少しの優しさで誰かを助けられるかもしれない、助け合いで人生を変えられると本気で思った。


下記は、胸に留めて置きたかったシーン。

朝9時は最も安いので
"貧困者の葬儀"と呼ばれています
でも彼は貧しくなかった
お金で買えないものを与えてくれました

彼の服からこんな物が
いつもの鉛筆書きです

申し立ての時に用意して
読めませんでした

彼はとても愛情深く
心の広い人でした

国の制度が早い死へと
追いやったのです

"私は依頼人でも
顧客でもユーザーでもない
怠け者でもたかり屋でも
物乞いでも泥棒でもない
国民保険番号でもなく
エラー音でもない
きちんと税金を払ってきた
それを誇りに思ってる
地位の高い者には媚びないが
隣人には手を貸す
施しは要らない
私はダニエル・ブレイク
人間だ 犬ではない
当たり前の権利を要求する
敬意ある態度というものを
私はダニエル・ブレイク
1人の市民だ
それ以上でも以外でもない"
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