さー

お嬢さんのさーのネタバレレビュー・内容・結末

お嬢さん(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

内容も映像も音楽も、すべてがスタンダードから外れた超変態作品なのに、ラストの清々しさたるや!!加速度的に増す面白さに、時間を忘れて見入ってしまった。第二部始まった瞬間に「あ…これはハマったな…」と、好きな映画に出会った時の鐘が鳴りました(はい?

今作のテーマは、抑圧からの解放。それは男性から受ける抑圧であり、敵国たる日本から受ける抑圧でもある。エロ本を日本語で読まされるというダブルの抑圧を、これでもかと破壊する第二部後半のカタルシスは圧巻。自身は快楽を感じることなく、男に快楽を与えるためだけに延々エロ本を読まされ続ける秀子。その彼女の性を解放し、悦びを与えるのは男性ではなかった。ひとつずつ真実が明らかになるにつれ、一枚ずつ抑圧の皮が剥がれ落ちていく。構成も演出もお見事でした。

ふすまを開ける、さらに奥のふすまを開ける、もっと奥のふすまを開ける、広い庭へ走り出すーーをワンカットで撮った映像とか、挙げるとキリがないんだけど、とにかく映像だけでも見ていて飽きない。その撮り方何?!と、もはや話に集中できなくなるくらい、画がバチバチにキマってて隙がない。なんかもうすでにもう一回見たい。
さー

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