ハム公

お嬢さんのハム公のネタバレレビュー・内容・結末

お嬢さん(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


貴族と偽って没落貴族のお嬢様に近づいて駆け落ちしたのち、お嬢様は精神病棟に入れて財産だけを手にしようとの計画が詐欺師の男によって主人公の元にもたらされ、その手引きのため主人公がお嬢様の侍中として潜入!
お嬢様を赤子の如くお世話しながら、内心あんたのその宝石もいずれ私のもんだとほくそ笑んでいたが、やがてお嬢様に惹かれ、計画の進行に罪悪感と抵抗を覚えるようになり...というお話

イギリスの小説を日本統治時代の朝鮮を舞台にしてとった映画らしい!なるほどな
言われてみれば、朗読の練習やら、貴族の発音がどうのと言ってたの、英国っぽいや

初めは日本語のあやしさとトンチキ日本感とお嬢様への違和感があったけど、途中で展開に心奪われた まじで日本語聞き取れないとこも多々あったもの、、、
主役の人の日本語うまかったなあ

三部に分かれており、一部目のラストに当初の計画がひっくり返される驚きの裏切りがあり、二部で本来の計画の種明かしともにさらに新しい計画、そして三部でことの顛末という楽しい構成!

そう言えば一部で写ったあの紐は何かと思ったら!と、多分もう一度見たら気づく仕掛けがありそう

お嬢様が偏執変態叔父にメチャクチャな虐待、性虐待の上に金持ちの金儲けの道具、辱めに遭わされていた事実と、そこから救い出そうという詐欺師男もまた、お嬢様を金目当てでしか見ていないという事実の積み重ねにより、二人がお嬢様と主人公に出し抜かれる展開は非常にスッキリとし、納得のいく帰結と思えた(また主人公がその男たちと違い、お嬢様を心から想っていることもシッカリ描かれている)
主人公がお嬢様のされてきた仕打ちを知り、怒りに打ち震え、激情のまま叔父の貴重かつ悪趣味な古書をムチャクチャにするところには、感動…
そして、主人公に手をひかれ、自らを閉じ込めてきた屋敷の塀から出るところの解放感!

当初の計画通り詐欺師の男に連れられていたとて結局男の道具という点にはかわりないわけで、それよりも真に自分に共感し、お金ではない、彼女自身を求め、また自らと同じように男の道具として使い捨てにされようとしていた女と自由を手にするというところにこの話の爽快さがある

お嬢様が詐欺師を騙そうと誘惑するシーンの、まんまとのせられ夢中になる詐欺師と、それより早く毒入りの酒を飲め!と辟易した顔で適当に嬌声をあげるお嬢様とか、「本にある通り女は力づくの関係に快楽を覚えますから」(続く「では下着を破ります」が面白い)とのたまう詐欺師に、「残念ながら現実の女は違います」とパルティアンショットを見舞うとことかも、今までのやり返しという感じで気持ちがいい

なんか論文が書かれてそう でも女中一人騙されてるからな…

詐欺師の男の人の「私があなたに興味がある点はただ金だけ」「貴族のあなたにこれを言えて気持ちいい♪」って発言とか、一人になった部屋で手に入れた大金を全身に浴びたり、おもしろ憎めない、そんでちゃんと最期水銀入りのタバコを用意してるとこでただ間抜けな感じに描かれないのもよかった

叔父も非常に悪いやつだが趣味がいい、ダメだけど!!
最初地下室の水温何…?と思ってたらタコとは たしかに、大金持ちなったら実現したくなるか
もっと苦しんでほしかった
ハム公

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